「嫌われる勇気」アルフレッド・アドラー

2023 07/19

今回は、『嫌われる勇気』というベストセラー本について解説しています。本書はアルフレッド・アドラーの心理学や哲学をわかりやすくまとめたもので、人間関係と承認欲求に焦点を当てています。本書の内容は衝撃的であり、人生観を変える可能性があります。

「嫌われる勇気」の要約

このビデオでは、本書の中で特に衝撃的だった3つのポイントについて解説しています。

原因論と目的論

アドラーの考えによれば、人の行動には原因ではなく目的が存在するとされています。具体的な例として、上司が部下に怒鳴る場面を考えます。一般的には、上司が怒る原因は部下のミスだと考えられますが、アドラーの目的論では、上司の目的が部下に上下関係を示すためであると捉えられます。人間の行動は目的に基づいているため、原因ではなく目的に焦点を当てるべきです。

承認欲求と他人の課題に注力する傾向

人は誰しも、承認欲求の奴隷になりがちです。たとえば、大学選びや就職活動などでも、他人に認められたいという気持ちが強くなりがちです。しかし、他人の課題を自分のゴールとしてしまうことは、アドラーによれば避けるべきパターンです。

日本社会と承認欲求

特に日本では、承認欲求を刺激して頑張らせる仕組みがあります。そのため、日本人の頭は承認欲求で満たされやすくなっています。しかし、この動画の主旨は、他人の課題にだけ注力することは間違いであり、自分自身が楽しいと感じることや幸せになることにも重点を置くべきだということです。

自分の課題に注力する重要性

自分自身の課題に注力し、自分が何を楽しんで幸せに感じるのかを大切にすることが重要です。他人の認めを求めるだけではなく、自分自身の課題にコントロールを持ち、それに集中することが求められます。

上下関係を作らないための行動

アドラーの理論では、どんな相手に対しても上下関係を作らないことが重要です。具体的な行動として、「人を褒めない」ということが挙げられています。褒める行為は自然と上下関係を生み出すため、承認欲求を刺激する結果につながります。そのため、感謝の気持ちを表すことが推奨されています。

承認欲求の奴隷を量産しない

会社の報酬制度や褒めて伸ばす上司といった手法は、経営者にとっては効率的な戦略と思われるかもしれません。しかし、アドラー心理学的にはこれはNGとされています。承認欲求の奴隷を量産してしまう結果につながるため、感謝の気持ちを示すことがより健全な選択とされています。

アルフレッド・アドラーの理論に基づく本書では、対等な関係の構築と感謝の表現が、健全な関係の形成につながると説明されています。

アルフレッド・アドラーのプロフィール

アルフレッド・アドラー(Alfred Adler)は、オーストリアの心理学者・精神分析家であり、人間性心理学の創始者の一人です。彼は1870年(または1873年)にオーストリアのウィーンで生まれました。アドラーは当初、医学を学び、眼科医としての訓練を受けましたが、後に心理学への興味を追求しました。

アドラーは、フロイトの弟子であり、最初はウィーン精神分析学会の一員でしたが、個別心理学を提唱する独自の理論を展開しました。彼の理論は、人間の行動と心理的問題を社会的な要素と結びつける視点に焦点を当てており、個人の意志や目的を重視します。

アドラーは、人間の心理的な問題は主に「劣等感」という感情から生じると考えました。彼は、人々が社会的な関係の中で自己価値を確立するために、力や優越性を追い求める傾向を示すと主張しました。また、彼は個人の社会的な関係や家族の動態が心理的な問題にどのように影響するかを研究しました。

アドラーは幅広い分野で活動し、心理学だけでなく教育やカウンセリングにも貢献しました。彼は多くの著書を執筆し、その中で個別心理学の理論と応用を詳細に説明しました。アドラーのアプローチは、自己啓発やポジティブな心理の促進に焦点を当てており、個々の能力と社会的なつながりの重要性を強調しています。

アルフレッド・アドラーの学歴・経歴

・1888年に18歳でウィーン大学医学部に入学
・ウィーンで眼科医、のちに内科の診療所を始める
・1898年最初の著作となる『仕立て業のための健康手帳』を刊行
・1902年にジークムント・フロイトから招かれ水曜日の研究会の最初のメンバーとなる
・1907年に処女作の『器官劣等性の研究』を上梓
・1910年にウィーン精神分析協会の議長に就任し『精神分析中央雑誌』の編集長
・1911年、自由精神分析協会を設立

アルフレッド・アドラー 名言

  • 叱られたり、褒められたりして育った人は、叱られたり、褒められたりしないと行動しなくなる。そして、評価してくれない相手を、敵だと思うようになるのだ
  • 「やる気がなくなった」のではない。「やる気をなくす」という決断を自分でしただけだ。「変われない」のではない。「変わらない」という決断を自分でしているだけだ
  • ほかの人の自分に対する評価は、その人の個人的な意見であり、自分の評価そのものには、関係しない
  • 他人からの賞賛や感謝など求める必要はない。自分は世の中に貢献しているという自己満足で十分である
  • 自分の不完全さを認め、受け入れなさい。相手の不完全さを認め、許しなさい
  • 人間は、自分の人生を描く画家である。あなたをつくったのはあなた自身。これからの人生を決めるのもあなただ
  • 人の心理は物理学と違う。問題の原因を指摘しても、勇気を奪うだけ。解決法と可能性に集中すべきだ
  • 「よくできたね」とほめるのではない。「ありがとう、助かったよ」と感謝を伝えるのだ。感謝される喜びを体験すれば、自ら進んで貢献を繰り返すだろう
  • 幸せの三要素は、(1)自分自身が好きであること(2)よい人間関係を持っていること(3)人や社会に貢献していること
  • あなたが劣っているから劣等感があるのではない。どんなに優秀に見える人にも劣等感は存在する。目標がある限り、劣等感があるのは当然のことだ
  • 妻の機嫌が悪いときに、夫が責任を感じてはいけない。不機嫌でいるか上機嫌でいるかは、妻の課題。その課題を勝手に背負うから苦しいのだ
  • 生まれ変わる必要はない。感情の使い方を変えればいい
  • どんな能力をもって生まれたかはたいした問題ではない。重要なのは、与えられた能力をどう使うかである
  • 未熟な自分を責めてる限り、幸せにはなれない
  • 過去を後悔しなくていい。未来に怯えなくていい。そんなところを見るのではなく、いまこの時に集中しなさい

アルフレッド・アドラー 書籍